小津夜景『フラワーズ・カンフー』

小津夜景『フラワーズ・カンフー』

明るい色づかいのイラストが施された本書は、句誌『豈—俳句空間』(第55号/2013年10月号)に掲載された「出アバラヤ記」が第2回攝津幸彦記念賞準賞の受賞を機に俳句を始めたという小津夜景(おづやけい)が、2013年11月から2016年4月までの期間に発表した自作より314句と15首を選び、新たに編集し直した初の著書。 » continue reading

山本貴光著『「百学連環」を読む』

山本貴光著『「百学連環」を読む』

Sanseido Word-Wise Web[三省堂辞書サイト]にウェブ連載(2011年4月8日スタート〜2013年11月8日連載終了)されていた『「百学連環」を読む』が、ようやく書物にまとめられたので、さっそく新刊を購入。

現代の学術は、国語、数学といった科目から、文系/理系、さらにいろいろな領域に分かれ、細分化され、専門化が進んでいますが、その来歴はいったいどのようなものだったのでしょうか?

江戸後期から明治にかけて活躍した啓蒙思想家であり、「(希)哲学」という訳語をはじめ、多くの学術用語を考案したことで知られる西周(1829-1897)は、西欧学術が日本に導入される中、その学術全体を相互の連関の中で広く見渡そうと試みています。

本書は、現代における学術の全域を相互の連関の中で捉え直すための手がかりとして、西周が私塾で行なった講義に着目し、その内容を記録した明治三年頃の文書「百學連環」を現代の言葉に置き換え、註釈を加えながら、丹念に読み解いたもの。 » continue reading